画像処理

2014年7月12日 (土)

Camera RAWでのフィルムシミュレーション

前回RStackerでRAFファイル(富士XRAWファイル)を処理してRAFで書き出せるメリットとして、処理済みRAFをSDカードでカメラに戻してカメラ内現像(フィルムシミュレーションなど)ができる事を挙げた。

しかし、書いてから気が付いたが、Adobeの現像ソフトであるCamera RAWでも、8.4からカメラプロファイルの切り替えで富士のフィルムシミュレーションが可能になっている。これがカメラ内シミュレーションと同等なら、わざわざ手間をかけてカメラに書き戻す必要はないし、現像結果も16bitTIFFで書き出せる。

その確認のため、LightroomのCameraRAW8.5による現像のカメラプロファイルを標準である「Adobe Standard」と、「Velvia/VIVID」の2通り、それとX-E2のカメラ内現像の「Velvia/VIVID」を比較した。

現像元のRAFファイルは、前回Rstackerでダーク・フラット処理したもので、現像後、25%に縮小して、中央部付近を切り出した。

Compare1

CameraRAW(Lightroom)の現像では、AdobeStandardは色は薄めで、特に恒星の色彩が乏しいように思える。しかしVieviaでは彩度が上がっている。

同じVelviaでもカメラ内現像の方は若干おとなしめ。

ただしこれらの結果は、カメラプロファイル以外のパラメータによっても変わってくるので、はっきりしたことは言えない。

星野写真は写真としては特殊な分野なので、今ひとつ違いが分かりにくいし、結局後で色々処理するので、あまり参考にならないかもしれない。

***

そこで、朝焼けと金星を写した画像で再確認した(現像はPhotoshopだが、Lightroomと同じCameraRAW8.5)。

Compare2


この画像は違いが分かりやすい。Adobe Standardはくすんだ感じだが、本来の色はこれが正しいのかも。Velviaはいわゆる記憶色で、彩度が高め。Photoshop(CameraRAW)とカメラ内現像はほぼ同じだが、Phootoshopの方がやや色が濃いように思える。

これなら、カメラ内現像の手間をかけなくても、パソコンのPhotoshopかLightroomのフィルムシミュレーションで事足りる。

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2014年7月 9日 (水)

RStackerがRAF形式(富士XのRAWファイル)に対応

RStackerが、0.5.0βで、富士XシリーズのRAWファイル形式(RAF)に対応した。

撮影画像、ダーク画像、フラット画像をRAFファイルで読み込み、処理後の画像を同じくRAFで書き出す。

ただし、動作確認がされているのは今のところ、作者の所有するX-M1と私の所有するX-E2のRAFファイルのみである。

キヤノンのCR2に暫定対応した場合と同様に、カメラメーカー独自のRAWファイルは、そのデータ構造が公開されていないため、ファイルの中をバイナリエディタで見てデータ構造を類推して対応するしかない。これは、メーカーと契約していないフリーウェアの場合は致し方ない。

そのため、対応と言っても「現物合わせ」的な所があり、不具合はその都度直す必要がある(だから、β版となっている)。実際、α版ではRAWファイルが手元にあるX-E2でも若干の不具合があった。Xシリーズでは、他にX-E1とX-T1が星撮りに多く使われているが、作者の手元にRAWファイルが無いので、今のところ未確認である。

***

さて、これ迄もDNGファイルに変換すればXシリーズにも対応していたので、RAFを直接読めるようになった事の利点としては、

1.一旦DNG変換する手間が省ける。

2.DNGの現像環境を持っていなくても、RAF対応の現像ソフトで処理できる。

3.処理済みのRAFをカメラに戻して、カメラ内現像が出来る。

等がある。

1.については、DNG変換自体がそれほど手間ではないので、あまり利点では無いかもしれない。

2.については、Lightroom等のDNG現像ソフトを持っていない場合、カメラ付属の「RAW FILE CONVERTER」で、処理済みRAFを現像できる。

3.は、例えばRStackerでRAW状態で比較明合成した画像をSDカードに書き戻し、カメラでJpeg画像を出力できる。Xシリーズのカメラ内現像は出来が良く、下手にパソコンで現像するより良い色のJpegが出来るケースが多い。星景写真を比較明合成してJpeg画像を得る場合などは、この手法を用いても面白いかもしれない。また、フィルムシミュレーションには色々面白い機能がある。

下の画像は、ダーク・フラット適用済みRAFファイルをSDカードでカメラに戻し、色を濃いめでカメラ内現像したもの(縮小のみ)。

Dscf2675s

***

ただし、星野画像をちゃんと画像処理するには、やはりパソコンで現像してTIFF等のファイルにしてコンポジットした方が良さそうだ。下の画像は、処理したRAFファイルを7コマLightroomで現像し、ステライメージでコンポジット、Photoshopで画像調整したもの。

20140705xf56cyg

画質的には、RAFの直接読み込みでもDNGに変換後でも同等である。
DNG変換後も、14bitの階調とカラーフィルター配列情報は保持されている(こちら参照)。


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2014年6月16日 (月)

RStackerがCR2読み込み・書き出しに対応

RStackerがバージョン0.4.0でキヤノンEOSのRAWファイル形式(CR2)の直接読み込み・書き出しに(暫定)対応した。

これまではRAP2と同様に一旦DNGに変換してから読み込み、書き出しもDNG形式のみだったので、ダークやフラットなどの処理後はDNG形式に対応しているソフトでないと現像できなかった。たとえば純正のDigital Photo professional(DPP)やステライメージはDNG未対応なので、それらでは現像できなかった。

今回のバージョン0.4.0では、CR2への書き戻しが出来るため、ダーク・フラット処理後のCR2ファイルをDPPで現像できる。

ただし、対象となる機種の有効画素領域情報を取得するため、CR2ファイルを一旦DNGコンバーターでDNG変換し、そのファイルを読み込ませて登録する必要がある(これは初回使用時の前の一回のみで良い)。この手間があるため、現状では「暫定」対応となっている。なぜこのような手間が発生するかについては、作者のブログ記事にて説明されている。

個人開発のフリーソフトでは、未公開情報を得て利用するのはなかなか難しい。CR2ファイルをEOS全機種について全て集めればソフトに組み込んでおけるが、それも無理なので、いまはこのような対応になっている。

さて、私も早速60DaのCR2ファイルで試してみた。画像はあえてノイズの多い真夏撮影のものを選んだ。

まず、CR2をそのままDPPで現像したもの。トーンカーブとレベルは調整しているが、ノイズ低減はデフォルトのまま。

Anrs

次にRStacerでダーク減算、フラット処理をしたあと、DPPで現像したもの。

Awrs


周辺減光が低減されてフラットになっていることが分かる。

下は中心付近のピクセル等倍切り出し。

B

輝点ノイズが低減されていることが分かる。ただ、ランダムノイズは消えないので複数枚コンポジットで低減ずる必要がある。

私は普段、RStackerで処理したDNGをLightroom(Camera RAW)を使って現像している。それは現像時のノイズやフリンジ低減の優秀さのためだが、今回はCR2をDPPで現像し、その後ステライメージとPhotoshopで処理してみた。

20130811m29dpl

やはり慣れないせいか、ノイズが目立ってしまったが、一応、Rstacerで書きだしたCR2でちゃんとDPPによる現像が出来る事を確認した。

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2014年2月 9日 (日)

RAW(RAF)ファイルの中身をDNGと比較してみた

昨日はDNGファイルの中を見て、各画素の輝度情報とカラーフィルター配列情報が入っていることを確認した。

今回は引き続き、DNG変換前のオリジナルのRAWファイル(X-E2では「RAF」形式)の中を見て、DNG変換後とバイナリ比較した。

まずファイルサイズだが、昨日用いた画像のRAF形式のサイズが約32MBで、非圧縮でDNG変換した後も32MB程度とあまり変わらなかったので、これはRAFファイルの中は非圧縮で、直接見られるのではないか、と考えた。

そこで早速バイナリエディタ「Stirling」を用いて、DNG, RAFの両ファイルを開いてみた。

RAFファイルにおける画像(輝度)データの開始アドレスは不明だが、昨日のDNGの解析で、DNG側での画像データ開始アドレスは分かっている。そこで、DNGファイルの画像データの先頭から16バイトのデータ列で、RAFファイルの中を検索した。

2014020901

すると、思惑通り画像データらしきデータ列が見つかった。画面下方向にざっと見てもDNGの方と同じようなので、おそらくこれがRAFでの生データだろう。見たところ、思った通り非圧縮で、DNG同様に1画素16bit(2byte)のリトルエンディアン形式で記録されているようだ。

おそらくここからファイル終端までが画像データだろうと言うことで、DNG,RAFそれぞれについて、データ開始アドレスからファイル終端までを切り取って、データのみの別ファイルに切り出した。切り出し後の両データは一致するはず。

ところが

2014020902

ファイルサイズが一致しない。

バイト数を正確に調べると

DNGファイル(データ部分のみ):32,538,112 byte
RAFファイル(データ部分のみ):32,907,256 byte

差し引き、369,144 byte RAFの方が大きい。
やはり、DNG変換時に何か情報が欠落しているのか?

1画素当たり2byteで、画素数は4936x3296なので、
4936x3296x2=32,538,112
となり、DNGの方はデータ量がピッタリである。

とりあえず、DNGとRAFをシンクロスクロールして見ていくと

2014020903

RAFの方にゼロデータ列発見。

調べていくと、どうやら1ライン(4936画素=9872 byte)毎に、後に112byteのゼロデータが入るようだ。

しかも、最終ラインの後は112byteではなく、何故か104byteである(下図)。

2014020904

画像は3,296ライン有るので、ゼロデータのバイト数は

112x3,295 + 104 = 369,144

となり、上述の「RAFデータサイズ - DNGデータサイズ」に一致する。
両ファイルのサイズ不一致はこのゼロデータのせいのようだ。

このゼロデータに何か大切な意味があるとは思えないので、これを除去する。

Stirlingの「置換」で、「00 00」を置き換え文字無しで置換すると削除モードになるようなので、これでゼロデータを削除した。

2014020905

ゼロ削除後、もう一度これを別名でセーブして、DNGファイルと比較すると

2014020906

両者はバイナリ一致した。

まとめると下記の通りとなる。

・X-E2のRAWファイル(RAF)の輝度情報データ部分は、非圧縮、1画素2byte(リトルエンディアン形式)で記録されている。輝度の精度はおそらく14bit。

・1ライン(9872 byte)毎に、112byteのゼロデータが入る。ただし最終ライン後は104byte。

・DNG変換後は、ライン間のゼロデータが除去されるだけで、各画素の輝度データ自体はリトルエンディアン形式そのままで転記される。

・カラーフィルター配列もそのまま転記される。

というわけで、安心してDNG変換を間に挟んだ処理を行える。

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2014年2月 8日 (土)

DNGファイルの中を見てみた

天体写真の画像処理でダーク減算やフラット補正を行う場合、現像前の状態で行う方が良いとされている(現像処理では近隣画素の情報も加味した処理が行われてしまうため)。

そのためのツールが「RAP2」や「RStacker」だが、これらのソフトは、各社のオリジナルRAWファイルに各々対応するのが大変なためか、AdobeのDNGファイルに変換してから処理するようになってきている。

ただ、利用者として不安なのが、DNGファイルの中身がよく分からないこと。オリジナルのRAWデータ同様、ちゃんと画素毎の生データが記録されているのだろうか。それにカラーフィルター配列が一般的なベイヤー配列ではなく特殊な「X-Trans」となっている我が「X-E2」では尚更気になる。

これはDNGの仕様書を読めば良いのだろうが、英語だし大変そう。

というわけで、実践あるのみということで、RStackerの開発者から教えて頂いた「JpegAnalyzer Plus」というソフトを使い、DNGファイルの中を見てみた(ソフト名からしてJpeg向けのようだが、実際は色々なファイルを解析できる)。

まず、左上が赤色で占められている画像をX-E2で撮影した。

Sample

そして、このRAWファイル(*.RAF)を、DNG Converter8.3でDNGファイルに変換した。設定は、RAP2やRStackerで指定されている「非圧縮、リニア無し、JPEGプレビュー無し」。

次に、このDNGファイルについて、RStackerを用いて、R,G,Bの各色に単色分離したDNGファイル出力を行った(1枚だけでは処理できないので、同じファイルをコピーして2枚に増やし、加算平均)。このうち、Rチャンネルのファイルについても追加で解析することにした。

こうして作成した「DNG変換のみ」と「Rチャンネル分離」の2つのDNGファイルを、JpegAnalyzer Plusで解析した。

まずは、「DNG変換のみ」(画像はクリックで拡大)。

Dump1

これを見ると、下記のようなことが分かる。

・CFA(カラーフィルターアレイ)パターンは、6x6で、1行目は「RGRBGB」となる。画像1行目(1ライン目)はこれの繰り返し。X-Trans配列情報をちゃんと継承しているようだ。

・画像データは、アドレス 0004529A から開始
(点順次というのは、左上->右下へ順に並んでいる?)

・画像ビットは16bit = 2byte

・黒レベルは1024、白レベルは16384。2の14乗=16384なので、輝度は14bit精度。

上記画像データ開始アドレスから、とりあえず12画素分の情報を抜き出してみる(図中の赤線部)。

・1画素の情報は2byteなので、最初(左上)の画素データは「13 0A」。

・(このダンプ画像にはないが)ファイルの一番最初に
「00000000 TIFF header 49492A0008000000 little endian (インテル)」
の情報があった。リトルエンディアンは、2バイト分の数値を「下位バイト、上位バイト」の順で記録するので、「13 0A」は16進数で「0A13」のこと。つまり、10進数では

「0A13」=0*16^3 + 10*16^2 + 1*16^1 + 3 = 2579

となる。

また、「Rチャンネル分離」のDNGファイルも同様にダンプを取ってみた(画像はクリックで拡大)。

Dump2


ダンプを見ても分かりにくいので、CFA情報と合わせ、頭から12画素の情報を下表のようにまとめた。

Data

・「DNG変換」では、R画素の輝度が大きいことが分かる。この画像左上部分は赤色が支配的なので、CFA情報と輝度情報がちゃんとマッチしていることが分かる(ただし、この先頭から12画素程度の部分は、現像ではcropで切り捨てられる所かもしれない)。

・また、「Rチャンネル分離」では、R以外のチャンネルが黒レベル(1024)に強制上書きされていることが分かる。

このように、DNGファイルは、CFAによるカラー配列情報と、各画素の輝度情報を保持出来ている。カラー配列がCFA情報として記述できる限り、X-Transであっても、DNGファイルの規格内でRAWデータ(生データ)として記録出来るようだ。

RStackerはこのCFA情報を見て処理しているので、未知のX-Transであっても対応出来たとのこと。

ただし、カメラによっては黒レベルが縦、横位置によって補正されるなどのケースがあって、その場合は機種依存処理が必要なようだ。

まとめると、DNGはTIFFファイルの記録形式を用いて輝度情報とカラー配列情報、その他を記録し、現像ソフトはこれらの情報から、指定された現像パラメータとそれぞれの味付け(アルゴリズム)でRGB変換する、といったところだろうか。

あとはオリジナルのRAWファイル(RAF)の中を見て、DNGと比較したいところだが、JpegAnalyzer PlusでRAFを開いても、EXIF情報は見られるが、生データのアドレスが分からなかった。

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2014年1月26日 (日)

Silkypix DSP6体験版によるノイズ低減

画像処理する際に消しにくいノイズとして特に困っているのが、「背景の(大きめの)モヤモヤ」と「縞状のノイズ」。これらはCamera RAWので現像時も、Photoshopのノイズ低減でもなかなか対処しにくかった。

そこで今回、これらのノイズ低減効果が向上したといわれる「Sylkypix DSP6」の30日体験版を試してみることにした。

といっても、現像はCamera RAWで慣れているので、今回は現像からではなく、Camera RAWで現像済みのTIFF画像を取り込んで、ノイズ低減のみ実施した。

まずは「背景のモヤモヤ」。これは「広域低周波色ノイズ」と言うらしい。これはモヤモヤの塊が大きいので普通のノイズ低減では消しにくい。

特に光害地で背景が明るく写るときに目立つので、自宅から撮影したラブジョイ彗星の画像に適用した(画像はクリックで本来の大きさに拡大)。

20140125c1

色ノイズを低減すると彩度が落ちてしまうので、彩度を上げる処理を併用している。

結果としては、ある程度効果が有るが、完全に消えるわけではなさそうだ。もしかすると、ちゃんとRAWファイルの現像から適用しないと効果が薄いのかもしれない。思ったほどの効果ではないが、それでもその後の処理が若干やりやすくなった。

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続いて「縞ノイズ」。これは「ノイズ整列」を用いた。

下の画像は、M78星雲付近のピクセル等倍での切りだし(画像はクリックで拡大)。

20140125s1

画像の縦方向に走る縞状のノイズが低減できた。これもPhotoshopのノイズ低減ではなかなか消しにくかったが、Silkypix DSP6では効果的にノイズ低減出来ている。ただし、それでもノイズ処理を強くすると星雲や星のディテールも失われるので、そのさじ加減が難しそうだ。

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以上のように、DSP6によるノイズ低減はある程度有用であることが分かった。ただし、今回は現像済みの画像で試しただけなので、本来の効果を発揮するには現像段階から適用する必要があるかもしれない(実はRAWファイルからの現像も行ったが、慣れていないためにパラメータの勘所が分からず、良い結果にならなくて今回は断念した)。

また、ノイズ低減でも、恒星周りのフリンジ低減はCamera RAWの方が細かく調整できて使いやすいので、一長一短な気がする(慣れれば良いのかもしれないが)。

そういう訳で試用期限までもう少し試してみようと思うが、なにしろ高価なので、購入するかどうかは悩むところ。

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2014年1月13日 (月)

X-E2とEOS 60Daの実写による比較

先日、FUJIFILM X-E2とCanon EOS 60Da、6Dのダークノイズ比較を行い、X-E2がかなりの低ノイズであることが分かった。しかし、実際の星や星雲の写り方などについては、やはり実写して見ないと分からない。

そういうわけで、同じAPS-CであるX-E2と60Daを望遠鏡の直焦点で実写して比較することにした。

共通データは下記の通り

気温:3℃
撮影対象:オリオン大星雲(M42, M43)
撮影鏡筒:William Optics FLT98CF + レデューサーフラットナー4
48mm径LPS-P2フィルターをレデューサーフラットナー4の2インチバレル先端に装着
架台:ケンコーSE2赤道儀
ガイド:笠井ガイドファインダー60、Lodestar Autoguider & iAGでオートガイド
露出:(1)ISO1600で90sec.、 (2)ISO3200で45sec.

現像:DNGに変換後、Lightroom5.3(Camera RAW 8.3)で現像。
*背景がグレーになるよう、カラーバランスのみ調整。

本来、そのカメラに添付の現像ソフトで現像したものを基準にすべきなのだろうが、私はいつもDNGに変換して、RStackerやRAP2でダーク・フラット処理をした後にLightroomで現像しているので、今回も同様にした。

比較は、ピクセル等倍で「500x400」のサイズ分、M43付近を切り出して行った。
センサーサイズと解像度から計算した画素ピッチは、

X-E2:約4.8 μm
60Da:約4.3 μm

なので、X-E2の方が1割ほど大きい。つまり、60Daの方がピクセル等倍比較では大きく写る。

Lightroomの現像時ノイズ軽減(低減)処理のデフォルト値は

「輝度:0、 カラー:25」

だが、まずはノイズ軽減しない、「輝度:0、カラー:0」で比較した。
(画像はクリックで本来のサイズに拡大)

Trim_l00_c00

背景のザラツキはX-E2の方が少ない。60Daの方は粒々がそのまま見えるのに対し、X-E2は既にノイズ軽減処理されたような滑らかさがある。しかし微光星が塗りつぶされたような印象は受けない。両者ともだいたい同じ程度の星が写っているように見える。

なお今回は気温が3℃と低いので、60Daの方のノイズもかなり少なく、20℃弱で撮影したダークノイズ比較時よりは両者の差は小さい。

さて、現実的には現像時にノイズ軽減処理をしないという事はまず無いので、次に標準的なノイズ軽減処理として「輝度:25、カラー:25」で比較した。
(画像はクリックで本来のサイズに拡大)

Trim_l25_c25

両者とも、カメラJpeg出力のような滑らかな画像となった。しかし、やはりまだ60Daの方が粗い。

そこで次は、60Daのみノイズ軽減パラメータの輝度を「輝度:40」に増加させ、X-E2の「輝度:25」と並べてみた。両者ともカラーは25のままである。
(画像はクリックで本来のサイズに拡大)

Trim_l2540_c25

これでノイズが概ね同程度となった。

今回の結果を見る限り、X-E2は60Daに比べて星の写りで劣るところはないようだ。ただし、60Daは天体専用の赤外カットフィルターなので、Hαの写りは違うと思う。今回も、60Daの方が星雲の色の赤みが多い。

ノイズについては60Daの方が多いように思えるが、現像時のノイズ軽減のパラメータ調整で同程度になる。そのためX-E2の方が特に優位という感じではないのだが、今回は気温が3℃と低く、60Daとの差がつきにくかったかもしれない。

20℃弱の条件で実施したダークノイズ結果から考えると、高温時にはX-E2の方がもっと有利になるはずなので、また春~夏にかけても実写比較をしたいと思う。

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2013年12月29日 (日)

富士フイルム ミラーレス一眼 X-E2のダークノイズ評価

今回、ミラーレス一眼の富士フイルムX-E2を導入した。
レンズは、レンズキットの「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」。

20131228_ex21


ミラーレスカメラは、軽量で手軽、様々なレンズを付けて試せるなど面白い存在なので、以前から一台欲しいと思いつつも、なかなか買えずにいた。

しかし先日の大河内高原への遠征で、HさんがポラリエにNEXを載せているのを見て、それが結構良い感じにまとまっていたので、背中を押された気がして購入した。そこで同じNEXでなくX-E2にしたのは、高感度耐性がが良さそうなのと、X-Transフィルターの出す画像に興味があったため。背面液晶が固定式なので天体用としては使いにくいのが欠点。 

ポラリエに載せたところ。

20131228_ex22

コンパクトにまとまっているが、相変わらず構図は決めにくそう。カメラが軽いので、自由雲台の2段重ねでも良いかもしれない。

早速、ダークノイズテストも実施した。

比較対象はEOS 6D、EOS 60Daの2台で、テスト方法は先日のEOS 6Dの時と同じ方法とした(下記)。

(1)カメラにマウントキャップ、アイピースキャップをして、インターバル15秒で3コマ撮影し、3コマ目を採用(X-E2はEVFなのでアイピースキャップ無し)。

(2)RAWファイル(RAF、CR2)を、Adobe DNG Converter8.3でDNG変換.。

(3)DNGファイルをLightroom5.3で現像、16bit/チャネルのTIFFで保存。

(4)TIFFをPSCCで読み込み、レベル補正でハイライトの値を255->50に下げてノイズ強調。

(5)トリミング無しで400x267(ピクセル)に縮小、およびピクセル等倍で中央部を400x267(ピクセル)切り出し、比較画像作成をしてJPEG出力。

また(3)のLightroomの現像パラメータは、基本的にデフォルトのままだが、下記のみ変更した。

・カラーノイズ軽減をゼロ(デフォルトは25)。
・トーンカーブはリニア
・WBは、機種に応じて調整(曇り空を撮影して、それがグレーになるようにした)。

露出は「ISO800・600秒」を基準として、露光量が同じになる「ISO1600・300秒」、「ISO3200・150秒」、「ISO6400・75秒」。

気温は19℃。これは真夏の砥峰高原の気温よりやや低い程度。ノイズがかなり出やすい気温である。

まず、トリミング無しで400x267に縮小したダーク画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

20131228darks

X-E2のノイズは、2機種のEOSよりかなり少ない。

ただし、ISO6400の結果を見て分かるように、画面周辺部のノイズが多めで中心部が少なめというように、ムラが生じている。ノイズが目立つ条件での撮影時には、割り切って縦横80%程度にトリミングした方が良いかもしれない。

次にピクセル等倍で中央部を切り出した画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

20131228darkt

やはりX-E2のノイズがかなり少ないことが分かる。ただしこれは中心部の切り出しなので、周辺部はもっとノイズが多い。さすがにISO6400ではX-E2もノイズが目立つ。しかしそれでもノイズに色が付かないので、目立ちにくそうだ。これはやはり独自のカラーフィルター配列(X-Trans)の効果かもしれない。

さて、X-E2が比較的低ノイスなのは分かったが、周辺部と中央部でノイズ分布に差が有るので、やはりダーク減算をしないと画像処理しにくい。

X-E2のRAW状態でのダーク減算・フラット処理は、DNGに変換すればRStackerが対応しているので、それでISO6400の画像をダーク減算してみた。といっても、ダーク画像から同じダーク画像を減算するとオールゼロになってしまうので、3コマ撮影したうちの先の2コマを加算平均してマスターダーク画像として、それをこの3コマ目の画像から減算した。

まず、トリミング無しで400x267に縮小したダーク画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

201312286400s


周辺部のノイズがある程度低減された。

次にピクセル等倍で中央部を切り出した画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

201312286400t

当然ながらランダムノイズは消しきれないが、輝点がかなり減っていることが分かる。
高感度時にはやはりダーク減算をした方が、しないよりは良さそうだ。

以上のように、X-E2はISO3200までならかなり低ノイズである事が分かった。

ただし、これは天体写真で重要な「S/N比」の「N」の部分だけの評価である。「S」に関しては、公称感度が同じならどの機種も同じに写るだろうとの前提だが、実際は同じ公称感度表示でも、実効感度が異なる可能性がある。また、無改造機でHαをどの程度通すかということも写りに影響してくる。最終的には実写で判断するしかない。

いずれにせよ、気温19℃でこれだけノイズが少なければ、真夏の夜に高原で星景星野を撮影するための、強い味方となってくれそうな気がする。

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2013年5月26日 (日)

ISSの月面通過(比較暗合成)

昨日の「ISSの月面通過」の動画から静止画を抽出し、比較暗合成でISSの通過経路を月面上に描きだしてみた。

20130525issdark1


動画からの連続した静止画像の抽出は、キヤノンEOSの付属ソフト「ImageBrowzer EX」で出来た。それをPhotoshopの、「ファイル」-「スクリプト」-「ファイルをレイヤーとして読み込み」で複数レイヤーに読み込んで比較暗合成した。

その結果が上の画像だが、ピクセル等倍でも残念ながらISSの形までは分からない。

動画の撮影モードを選択するとき、

1920 x 1080 30fps
1280 x 720   60fps

のどちらにするか迷ったが、解像度よりもフレームレートを優先して、1280x720の方で撮影してしまった。しかし画像を見ると、フレームレートは半分で良いので、解像度を上げた方が良かった。

一緒に行ったりんしゃんさんの画像では、同じ動画モードでの撮影で、ED100Sfの焦点距離900mmでISSの形がはっきり写っている。私の鏡筒はBorg60ED(350mm) + 1.4倍テレコンの合成490mmなので、焦点距離が不足気味だったようだ。

なお、撮影は月面通過が観測出来るほぼ中心線上で行ったはずだが、結果をみるとややずれているようだ。

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2012年8月25日 (土)

Camera Raw 7の色収差除去・フリンジ軽減

先日、PhotoshopをCS6へ、Lightroomを4.1へ、それぞれバージョンアップした。

色々新機能があるようだが、注目するのはCamera Rawによる現像である。
特に、カメラレンズの色収差修正機能については、従来からあったフリンジ軽減機能が拡張され、スライダーによって細かく調整できるようになったようなので、早速試してみた。

試行に用いた画像はこちら

20120818perEOS 60Da
EF100mm F2.8L マクロ IS USM / F2.8開放
ISO1600, 120sec.
カメラJpeg出力を縮小のみ

中央部だけでピントを合わせたためか、どうも端に行くほど星像が崩れ、星の周囲に青色の収差が出てしまっている。縮小するとほとんど気にならない程度だが、補正出来るなら補正しておきたい。

Camera Rawによる現像設定は、輝度ノイズ軽減のみ「30」まで上げて、後はデフォルトのまま。

201208211
色収差とフリンジ軽減の設定はこのようになっている。

オンラインヘルプによると、「色収差を除去」のチェックボックスは「倍率色収差」を、フリンジ軽減のスライダーは「軸上色収差」を軽減するとのことである。

フリンジ軽減のスライダーは、今回は青色の収差を軽減する必要があることから、上の画像のように、緑の適用量のみ5に上げ、グリーンの色相を右端の青色の領域のみとした。

さらに、カメラJpeg出力と、キヤノン純正のRAW現像ソフト「Digital Photo Professinal(DPP)」での現像結果も合わせて比較した。

結果は下の通り。画像はピクセル等倍切り出しとなっている。

20120821fri1


これを見て分かるように、「フリンジ軽減」は恒星の周りの色にじみ軽減に効果的なようだ。星の周りの青にじみは「色収差除去」のみでは消えないが、「フリンジ軽減」ではきれいに消える。

また、カメラJpeg出力、およびDPP(収差補正有り)でもある程度補正されるようだ。
実際今回の画像でも、撮影時にカメラ背面液晶で確認して色にじみが無かったので、これでOKと思っていたところ、帰宅してPCに取り込みCamera Rawで開くと、色にじみが目立つことが分かったという経緯があった。

ただし、過度な適用は星の色を消してしまいそうなので、注意が必要と思う。
(そもそも、補正の必要が無いきれいな元画像をちゃんと撮るのが一番重要だが、なかなか難しい)。

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