機材

2014年5月31日 (土)

XF35mm F1.4 R

今年に入ってから購入した、フジノンレンズXF35mm F1.4Rの実写星像テストを、先日の大河内高原遠征時に行った。

このレンズはAPS-Cである富士Xシリーズの純正AFレンズで、フルサイズ換算で52.5mmの標準レンズとなる。

20140525xf351

外観としては、変わった形状のレンズフードが目立つ。ヒーターが巻きにくいので、これは一般的な丸形のねじ込みフードに付け替えた方が良いかもしれない。

20140525xf352

この、先が角形になったフード専用のレンズキャップも付属する。

今回はこのフードを付けて、大河内高原で北斗七星近辺を撮影した。感度はISO1600で、下記の通り絞りと露出時間を変え、概ね同一の露光レベルになるように調整した。

F1.4  15rsec.
F2.0  30sec.
F2.8  60sec.
F4.0  120sec.

まずは、全体を縮小し、周辺減光の様子を見たもの。ただ、薄雲や光害の影響で、完全にフラットな状態の空での撮影ではない。

20140503xf35all

F1,4~F2.0では明らかに周辺減光が目立ち、F2.8位からは強調さえしなければあまり気にならなくなるが、四隅の減光はF4.0でも残る。もしかすると、これは前出の角形レンズフードの影響かもしれない。今後、もう少し浅めの丸形レンズフードでも試してみたい。

次に、中心付近と左上端付近のピクセル等倍切り出し画像(クリックで拡大)。

20140503pix

こちらも、F1.4~F2.0は収差が大きく、実用上はF2.8位からとなりそうだ。

先日テストしたXF56mm F1.2Rと同様、ちゃんとフラット補正すればF2.8位から星野写真に使えるし、星景で、四隅に多少妥協すれば、F2.0でも何とかなりそうだ。

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2014年3月 9日 (日)

XF56mm F1.2 R

ここ最近はカメラ機材の入れ替えが多く、結果としてEOS系の機材が減り、富士Xマウントのレンズが増えた。

そのうちの1つ、XF56mm F1.2 Rの星像実写テストを行った。

20140306xf561

このレンズはAPS-CのXマウントレンズなので、フルサイズ換算で85mm相当の中望遠レンズとなる。先日テストした借り物のニッコール50mm F1.4に近い仕様だが、こちらは先月発売されたばかりの最新のレンズになる。

本来なら観測地で本格的に撮影したかったが、どうも晴天に恵まれず、とりあえず自宅ベランダからの撮影となった。そのため光害によるカブリがひどく、星があまり写っていない。その代わり、周辺減光は分かりやすい。

カメラはX-E2でISO感度は1600、F1.2~F4まで、露出時間を下記の通りに変えて撮影した。

F1.2: 1.3 sec
F1.4: 2.0 sec.
F2.0: 4.0 sec.
F2.8: 8.0 sec.
F4.0: 15 sec.

まずは、jpeg出力をトリミング無しで全体を縮小し、周辺減光の様子を確認した。

20140306xf56all

F1.2が特に周辺減光が大きいのは予想通り。F2.0位までは四隅の減光が目立つ。これはフラット補正すると星像に悪影響がありそうな感じ。F2.8位からはまずまず良いと思う。

次に、中心付近と左上端付近のピクセル等倍での比較(この画像はクリックでピクセル等倍サイズまで拡大)。

20140306pix

F1.4までは周辺部での非点収差が大きい。F2.0では中心部は問題無いが、周辺部はやや色にじみが残る。F2.8~F4.0でも完全な点にはならないが、ピクセル等倍でこれなら許容できるレベル。

このように、少なくともF2.0までは絞った方が良さそうだ。キッチリした星野を撮るならF2.8まで絞るべきだが、それでは折角の大口径レンズを使う旨みがないので、F2.0位にしておいて、フラット補正しきれない周辺部をトリミングで切り落とす使い方が面白そうだ。

残念ながら今からは月が太くなってくるので、星野撮影できるのはもう少し先になりそうだ。

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2014年3月 1日 (土)

Ai Nikkor 50mm F1.4

X-E2に借り物である「Ai Nikkor 50mm F1.4」を付けてみた。

20140222xe21

50mm F1.4といえば、35mm銀塩時代の標準レンズ。カメラ付属(今で言う「キットレンズ」)として売られることが多かったので、中古も数多く出回っている。

今回借用したのは「S」の付かないAiニッコール。私は昔からキヤノンユーザーだったのでニコンレンズの変遷には疎いが、調べてみると、1970年代後半に売られていた物のようで、もう30年以上前の古いレンズらしい。

しかし、最新のデジカメであるX-E2に良く合っている。

早速、先日の多可町遠征時にテスト撮影した。

このレンズを付けたX-E2をポラリエに載せてオリオン座近辺に向け、絞りを開放からF4まで変えて星像を比較した。感度はISO1600で、露出時間は絞り値に応じて下記のように変えた。

F1.4 15sec.
F2.0 30sec.
F2.8 60sec.
F4.0 120sec.

まずはJPEG出力をトリミング無しで縮小したもの。

20140222ai50all

F1.4はここまで縮小しても星がぼやけているのが分かる。周辺減光は、強調処理しなければF2.8位で目立たなくなるようだ(F4.0は、右上部分に薄雲がかかっている)。

次に中心部と、右上の輝星付近のピクセル等倍切りだしでの比較。

 

20140222ai50trim

まず、F1.4は全く使えない。F2.0も色収差が目立つ。

F2.8になるとかなり改善され、強調処理しない限りは十分。F4.0では星野撮影でもほぼ問題無い。

こうしてみると、古いレンズではあるが、F2.8より絞ると星の撮影に使えそうだ。ただし、最新のデジタル対応レンズに比べるとまだまだ甘いのかもしれない。

というわけで、この機材そのままで、2対象程撮影してみた。
しかし、雲の通過で数コマしか取れなかったのと、時期的に天の川の部分が見えず、単なる星だけの撮影になってしまったのが残念。

「ふたご座と木星」
ISO1600, F4.0, 180sec.x 3コマ

20140222geminijupiterl

雲のため3コマしか撮影できなかった。数十コマ撮影できれば、M35付近の星雲も強調できたかもしれない。

それにしても木星は明るい。移動する先々で、星座の形を分からなくしている。

「獅子の大鎌」
ISO1600, F4.0, 180sec x6コマ

20140222leo2l

APS-Cに50mmを付けると、フルサイズ換算75mmになり、しし座全体は入らない。大鎌部分を撮影したが、星以外に何か写るという領域では無いので、かなり寂しい(NGC2903も点にしか写らない)。

夏ならば天の川を写してみるのだが、残念ながら借り物だったので返却した。

このレンズは、程度の良い中古で2万円弱程度(Ai-Sなら2万円強)。F2.0の結果がもう少し良ければお買い得なのだが、迷うところ。

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2014年2月 4日 (火)

Ai Nikkor 105mm F2.5S

X-E2に付ける単焦点望遠レンズとしては、純正のXマウントには存在せず、私が所有するEFレンズは絞りが開放に固定され、絞り付きマウントアダプターはケラレの問題が有るし、レンズ前で口径を絞るのも失敗

というわけで、絞りリングのついた「Ai Nikkor 105mm F2.5S」を中古で入手した。このレンズは30年間基本設計が変わらず、解像度が高い銘レンズとのこと(詳しくはこちら)。

中学生の頃、AE-1をお年玉貯金で買って以来のCanon派の私の手元にやってきた、人生初のニッコールレンズ。

Xe2

古いMFレンズだが、クラシック感じのX-E2と良く合う。マウントアダプターは八仙堂のもの。安価だが、ヘリコイドを無限大側に突き当てた位置で、丁度無限遠が出ている(と思う)。

フードは組み込み式で普段使いには便利だが、星撮りでレンズヒーターを付けると動いてしまう。別途固定式のフードを手配中。

Sibori_2

絞りは、開放F2.5の次はF4の表記だが、その中間のF2.5寄りの位置にも止まる。おそらくそこがF2.8。

Xe2_eos60da

(奥)EOS60Da(APS-C x1.6) + EF 100mm F2.8L マクロ IS USM
(手前)X-E2(APS-C x1.5) + Ai Nikkor 105mm F2.5S

カメラもレンズも同じクラスなのに、大きさはずいぶん違う。中身としては、むしろX-E2側の組み合わせの方が、センサーサイズもレンズ口径も焦点距離も若干大きい。EF100Lは、手ぶれ補正+AFなので、大きくなるのだろう。

さて、星の実写での比較は、先日の神河町遠征時にオリオン座の中心部撮影で行った。

(共通データ)
カメラ:Fujifilm X-E2
レンズ:Ai Nikkor 105mm F2.5S
架台:スカイメモR
感度:ISO1600
ノイズ低減:長秒時なし、高感度標準
出力:JPEG STD(Provia)

(露出)
F2.5 72sec.
F2.8 90sec.
F4.0 180sec.

まずは、全体を縮小したもの(周辺減光比較)。画像はクリックで拡大。

All

F2.5は周辺減光がかなり大きい。F2.8はフラット補正でOKなレベル。F4.0は減光が目立たない(強調処理するにはフラット必須)。

次に中央と周辺部のピクセル等倍切りだし(画像はクリックで本来のサイズに拡大)。

F2.5
F2_5

開放ではパープルフリンジが大きいが、周辺部の非点収差は割と少なめ。

F2.8
F2_8

F2.8では、フリンジがかなり改善される。周辺の収差は開放とあまり変わらず。
それから、輝星の周りに目立つ光条が出る。

F4.0
F4_0

F4.0では周辺星像がかなり改善される。パープルフリンジは出ないが、オレンジの色収差は若干残る。星像はEF100Lの開放に比べても大粒なイメージ。輝星の光条も目立つ。

というわけで、F2.5開放はやはりちょっと苦しいが、それでも散開星団などは輝星が適度に大きくなって良いかも。F2.8でもそこそこ使えそうで、F4.0迄絞ると、キッチリした星野が撮影できそう。

ただし、星像はやはり最新のレンズに比べるとやや大きめの粒になる。微光星を見る限り無限遠は出ているように思えるが、もしかしたら若干のズレがあるのかもしれない。これはニコンボディーを持ってないので確認出来ない。

なお、もちろん一般撮影にも普通に使える。EVFの良いところは、絞り込み状態でも明るさ調整されて見やすいこと。

Other2dscf1060

最短撮影距離が1mmなので、マクロレンズとしては使えないのが残念。

Other1dscf1060

それに絞り値が記録されないのは不便。

やはり純正Xマウントの大口径望遠(単焦点)を希望したい。

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2014年1月27日 (月)

レンズ前面での絞りは失敗

先日、富士フイルムのミラーレスカメラ「X-E2」にキヤノンのEFレンズを付けて星野の撮影を試行した(バラ星雲馬頭星雲付近)が、絞りが制御できず開放に固定されることで、周辺減光や恒星のにじみが気になった。

やはり絞って使いたいので、まずは絞り機能付きのマウントアダプターの購入を考えたのだが、この種の絞り付きアダプターは周辺がケラレて減光する可能性が大きいようで、そうなると逆効果になるため、候補から外した。

次に検討したのが、レンズの前面で口径を絞る方法。

望遠鏡での太陽撮影時や、大口径アクロマート望遠鏡を筒先で絞って色収差を低減することは普通に行われているので、それでいけるのではないかと思い、レンズ前面のプロテクターに、ステップダウンリングを重ねて付けて絞ってみた。

20140122ef1001

レンズは星野撮影でよく使う「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」。

前玉の口径を測るとだいたい36mm位だったので、100/36=2.78となり、開放F値とほぼ一致する。これをステップダウンリングで27mmに絞った。つまり、100/27=3.7となり、F4弱ぐらいになるだろうという考えである。

早速X-E2につけてオリオン座中心部を撮影してみた。

ISO感度は800で、露出時間は絞り無し開放が10秒、ステップダウンリング絞り有りが15秒として、露光量を概ね合わせた。

撮影結果は全体の縮小が下の画像(クリックで拡大)。

20140122ef100all

周辺減光はむしろ悪化してしまった。

次にピクセル等倍で、中心部、左下、および左端の輝星(オリオン三ツ星の北端のミンタカ)を切り出した(画像はクリックで拡大)。

20140122ef100pixel

星像は全く改善されていない。

結局、レンズ前絞り作戦は、周辺減光の悪化を招き、光量が減るだけで星像は改善されないという結果に終わった。完全に失敗だが、損失はステップダウンリング数個の金額だけなのでたいしたことは無い。

というわけで、この次の策として、富士Xマウントに純正の単焦点大口径望遠レンズが無い以上は、他社レンズで絞りが機能するものを探す方が良さそうだ。

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2014年1月13日 (月)

X-E2とEOS 60Daの実写による比較

先日、FUJIFILM X-E2とCanon EOS 60Da、6Dのダークノイズ比較を行い、X-E2がかなりの低ノイズであることが分かった。しかし、実際の星や星雲の写り方などについては、やはり実写して見ないと分からない。

そういうわけで、同じAPS-CであるX-E2と60Daを望遠鏡の直焦点で実写して比較することにした。

共通データは下記の通り

気温:3℃
撮影対象:オリオン大星雲(M42, M43)
撮影鏡筒:William Optics FLT98CF + レデューサーフラットナー4
48mm径LPS-P2フィルターをレデューサーフラットナー4の2インチバレル先端に装着
架台:ケンコーSE2赤道儀
ガイド:笠井ガイドファインダー60、Lodestar Autoguider & iAGでオートガイド
露出:(1)ISO1600で90sec.、 (2)ISO3200で45sec.

現像:DNGに変換後、Lightroom5.3(Camera RAW 8.3)で現像。
*背景がグレーになるよう、カラーバランスのみ調整。

本来、そのカメラに添付の現像ソフトで現像したものを基準にすべきなのだろうが、私はいつもDNGに変換して、RStackerやRAP2でダーク・フラット処理をした後にLightroomで現像しているので、今回も同様にした。

比較は、ピクセル等倍で「500x400」のサイズ分、M43付近を切り出して行った。
センサーサイズと解像度から計算した画素ピッチは、

X-E2:約4.8 μm
60Da:約4.3 μm

なので、X-E2の方が1割ほど大きい。つまり、60Daの方がピクセル等倍比較では大きく写る。

Lightroomの現像時ノイズ軽減(低減)処理のデフォルト値は

「輝度:0、 カラー:25」

だが、まずはノイズ軽減しない、「輝度:0、カラー:0」で比較した。
(画像はクリックで本来のサイズに拡大)

Trim_l00_c00

背景のザラツキはX-E2の方が少ない。60Daの方は粒々がそのまま見えるのに対し、X-E2は既にノイズ軽減処理されたような滑らかさがある。しかし微光星が塗りつぶされたような印象は受けない。両者ともだいたい同じ程度の星が写っているように見える。

なお今回は気温が3℃と低いので、60Daの方のノイズもかなり少なく、20℃弱で撮影したダークノイズ比較時よりは両者の差は小さい。

さて、現実的には現像時にノイズ軽減処理をしないという事はまず無いので、次に標準的なノイズ軽減処理として「輝度:25、カラー:25」で比較した。
(画像はクリックで本来のサイズに拡大)

Trim_l25_c25

両者とも、カメラJpeg出力のような滑らかな画像となった。しかし、やはりまだ60Daの方が粗い。

そこで次は、60Daのみノイズ軽減パラメータの輝度を「輝度:40」に増加させ、X-E2の「輝度:25」と並べてみた。両者ともカラーは25のままである。
(画像はクリックで本来のサイズに拡大)

Trim_l2540_c25

これでノイズが概ね同程度となった。

今回の結果を見る限り、X-E2は60Daに比べて星の写りで劣るところはないようだ。ただし、60Daは天体専用の赤外カットフィルターなので、Hαの写りは違うと思う。今回も、60Daの方が星雲の色の赤みが多い。

ノイズについては60Daの方が多いように思えるが、現像時のノイズ軽減のパラメータ調整で同程度になる。そのためX-E2の方が特に優位という感じではないのだが、今回は気温が3℃と低く、60Daとの差がつきにくかったかもしれない。

20℃弱の条件で実施したダークノイズ結果から考えると、高温時にはX-E2の方がもっと有利になるはずなので、また春~夏にかけても実写比較をしたいと思う。

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2014年1月 3日 (金)

X-E2とEF200mmによる馬頭星雲~M78付近の星野撮影

一昨日の夜(2014/1/1夜)に兵庫県多可町で撮影した、オリオン座の馬頭星雲~M78付近の星野画像の処理を行った。

この画像は、FUJIFILM X-E2とCanon EFレンズの組み合わせによる撮影の試行として行ったものである。

2013/1/1 23:23 - 1:15
兵庫県多可町
気温:-3℃、光害レベル:SQM-L測定値=20.8
FUJIFILM X-E2
Canon EF200mm F2.8L II USM
EOS-Xマウントアダプタ使用、F2.8開放
ISO1600, 85sec x 41コマ
ポラリエによるノータッチ恒星時追尾

RStackerによるダーク減算・フラット補正
Lightroom 5.3による現像
ステライメージ7で加算平均(σクリッピング:σ=2.0)
ステライメージ、Photoshop CCで調整

(クリックで画像拡大)

20140101horsem78l_2

さて、一見まともに撮れているようだが、色々問題が有った。

まず見て分かるように、星像が肥大している。これでもステライメージのスターシャープフィルターのお世話になって多少改善したのだが、それでもまだボテッとした星像になっている。

原因のひとつはガイドズレである。今回のセッティングは下の画像のように、X-E2にEF200mmを付けて、小さな自由雲台でポラリエに載せたのだが、見るからに軸周りのバランスが悪そうだ。

20130103p1000886

そのためか、わずか85秒の露出で撮影したのだが、80コマのうち半分程度はズレが大きく没になった。残りの41コマを合成したが、それらも若干の星像伸びが残っているものである。完全な点像の画像だけを厳選するとコンポジット枚数が不足するため、ある程度の星像伸びは許容した。

ポラリエに200mm望遠を載せるなら、もう少しバランスを考えるか、やはりスカイメモを使った方が良さそうだ。

それから、使用した「EOSレンズ-富士Xカメラのマウント変換アダプタ」が絞りのないタイプで、F2.8開放で使わざるを得ないこと。EF200mm F2.8L II USMは優秀なレンズではあるが、開放ではピント合わせがシビアで、小さなX-E2の固定式背面液晶で厳密なピント合わせは難しい。ちょっとでもズレると、星像肥大や赤ハロ・青ハロが発生する。今回も若干ピントがずれていた。X-E2のローパスレスの解像度を活かしてカッチリ撮ってみたいので、やはりF4.0に絞りたいところ。

しかし、これらはX-E2自体の問題ではない。X-E2はノーマル機だが、高感度でもノイズが少ないため、ちゃんとフラットを適用して画像処理すれば、馬頭星雲やバーナードループもそれなりに出てくる。ただ、色ノイズが少ない分、なんとなく星の色の出はEOSより悪いように思える(色収差による色ではなく、星本来の色)。ステライメージでのデジタル現像時に、色彩強調マスクを使っても良いかもしれない。

なお今回は、光害カットフィルター類は使わなかったが、高感度耐性を活かし、露出倍数の大きいフィルターを用いても良さそうだ。ただし、EOS-FFのようなマウント内フィルターが使えないので、カメラレンズとセンサーの間にどうやってフィルターを入れるかが問題になる。

これまでEOSの一眼レフばかり使ってきた私にとって、ミラーレスX-E2はなかなか面白いカメラなので、しばらく色々試してみたい。

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2013年12月29日 (日)

富士フイルム ミラーレス一眼 X-E2のダークノイズ評価

今回、ミラーレス一眼の富士フイルムX-E2を導入した。
レンズは、レンズキットの「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」。

20131228_ex21


ミラーレスカメラは、軽量で手軽、様々なレンズを付けて試せるなど面白い存在なので、以前から一台欲しいと思いつつも、なかなか買えずにいた。

しかし先日の大河内高原への遠征で、HさんがポラリエにNEXを載せているのを見て、それが結構良い感じにまとまっていたので、背中を押された気がして購入した。そこで同じNEXでなくX-E2にしたのは、高感度耐性がが良さそうなのと、X-Transフィルターの出す画像に興味があったため。背面液晶が固定式なので天体用としては使いにくいのが欠点。 

ポラリエに載せたところ。

20131228_ex22

コンパクトにまとまっているが、相変わらず構図は決めにくそう。カメラが軽いので、自由雲台の2段重ねでも良いかもしれない。

早速、ダークノイズテストも実施した。

比較対象はEOS 6D、EOS 60Daの2台で、テスト方法は先日のEOS 6Dの時と同じ方法とした(下記)。

(1)カメラにマウントキャップ、アイピースキャップをして、インターバル15秒で3コマ撮影し、3コマ目を採用(X-E2はEVFなのでアイピースキャップ無し)。

(2)RAWファイル(RAF、CR2)を、Adobe DNG Converter8.3でDNG変換.。

(3)DNGファイルをLightroom5.3で現像、16bit/チャネルのTIFFで保存。

(4)TIFFをPSCCで読み込み、レベル補正でハイライトの値を255->50に下げてノイズ強調。

(5)トリミング無しで400x267(ピクセル)に縮小、およびピクセル等倍で中央部を400x267(ピクセル)切り出し、比較画像作成をしてJPEG出力。

また(3)のLightroomの現像パラメータは、基本的にデフォルトのままだが、下記のみ変更した。

・カラーノイズ軽減をゼロ(デフォルトは25)。
・トーンカーブはリニア
・WBは、機種に応じて調整(曇り空を撮影して、それがグレーになるようにした)。

露出は「ISO800・600秒」を基準として、露光量が同じになる「ISO1600・300秒」、「ISO3200・150秒」、「ISO6400・75秒」。

気温は19℃。これは真夏の砥峰高原の気温よりやや低い程度。ノイズがかなり出やすい気温である。

まず、トリミング無しで400x267に縮小したダーク画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

20131228darks

X-E2のノイズは、2機種のEOSよりかなり少ない。

ただし、ISO6400の結果を見て分かるように、画面周辺部のノイズが多めで中心部が少なめというように、ムラが生じている。ノイズが目立つ条件での撮影時には、割り切って縦横80%程度にトリミングした方が良いかもしれない。

次にピクセル等倍で中央部を切り出した画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

20131228darkt

やはりX-E2のノイズがかなり少ないことが分かる。ただしこれは中心部の切り出しなので、周辺部はもっとノイズが多い。さすがにISO6400ではX-E2もノイズが目立つ。しかしそれでもノイズに色が付かないので、目立ちにくそうだ。これはやはり独自のカラーフィルター配列(X-Trans)の効果かもしれない。

さて、X-E2が比較的低ノイスなのは分かったが、周辺部と中央部でノイズ分布に差が有るので、やはりダーク減算をしないと画像処理しにくい。

X-E2のRAW状態でのダーク減算・フラット処理は、DNGに変換すればRStackerが対応しているので、それでISO6400の画像をダーク減算してみた。といっても、ダーク画像から同じダーク画像を減算するとオールゼロになってしまうので、3コマ撮影したうちの先の2コマを加算平均してマスターダーク画像として、それをこの3コマ目の画像から減算した。

まず、トリミング無しで400x267に縮小したダーク画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

201312286400s


周辺部のノイズがある程度低減された。

次にピクセル等倍で中央部を切り出した画像(下の画像・クリックで本来のサイズに拡大)。

201312286400t

当然ながらランダムノイズは消しきれないが、輝点がかなり減っていることが分かる。
高感度時にはやはりダーク減算をした方が、しないよりは良さそうだ。

以上のように、X-E2はISO3200までならかなり低ノイズである事が分かった。

ただし、これは天体写真で重要な「S/N比」の「N」の部分だけの評価である。「S」に関しては、公称感度が同じならどの機種も同じに写るだろうとの前提だが、実際は同じ公称感度表示でも、実効感度が異なる可能性がある。また、無改造機でHαをどの程度通すかということも写りに影響してくる。最終的には実写で判断するしかない。

いずれにせよ、気温19℃でこれだけノイズが少なければ、真夏の夜に高原で星景星野を撮影するための、強い味方となってくれそうな気がする。

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2013年12月15日 (日)

【機材】タムロン SP 24-70mm F/2.8 Di VC USD (Model A007)

先日、EOS 6Dを購入したときに、標準レンズとして同時購入した、「タムロン A007」。

A0071

A0072

フルサイズ対応のF2.8通し標準ズームということで、フィルター径が82mmとなかなか大きい。そして、重量も825gとかなり重い。

EOS 6Dはフルサイズ一眼レフとしては小型軽量だが、それを帳消しにするような大きさと重さである。しかし、普段撮りだけでなく星景・星野等の天文用途も考えると、やはりF4ズームよりもF2.8ズームの方が良い。

選定に際しては、キヤノン純正の「EF24-70mm F2.8L II USM」と迷ったが、純正はA007に比べて価格が倍ほども高い。解像度はやはり純正の方が上のようだが、A007もダメなわけではなく、純正には若干負けるが、十分な解像度がありそうということで、結局A007の方にした。

試写については、11月8日夜の多可町遠征時に行った。ただしこの時は常に薄雲が空を覆っている状況で、クリアでフラットな画像での評価ではない。しかし、周辺減光や星像などのおおよその様子は分かりそうだ。

また、全ての焦点距離とF値を組み合わせると大変なので、基本的によく使う広角端・開放を重視した。

それから、今のレンズは現像段階でのレンズ補正によって画質が結構変わるため、私が主に使っているアドビの現像ソフト「Camera RAW 8.2」での補正の有無での違いもチェックした(純正レンズならカメラ出力JPEGでも補正されるが、タムロンレンズはもちろん補正されない。それが純正の利点の1つでもある)。

まずは、広角端24mm、F2.8開放、現像時補正無しでの中心部と周辺のピクセル等倍画像(クリックで拡大)。

A00724mmf2_8nocorrection

周辺減光はかなり大きいが、星像は、よほど緻密な星野画像を目指すのでなければ許容範囲だと思う。

次は、同じく広角端24mm、F2.8開放だが、Camera Raw8.2のレンズ補正を行った場合である(クリックで拡大)。周辺減光と歪みを補正している。

A00724mmf2_8correction


周辺減光がかなり改善された。左下が明るいのは、過補正ではなく、薄雲がカブっているためであり、適正な明るさに補正されていると思う。

実際、広角レンズのフラット画像を適正に撮影するのはとても難しく、私はあきらめている。そこで、この現像段階での補正が強い味方となる。もちろん完全では無いが、下手なフラット画像を用いるよりは良いのではないだろか。

下の画像は、補正有り・無しの両画像を交互に表示するアニメーションGIFである(縮小有り)。

A007corranm


薄雲があって分かりにくいが、補正の効果が確認できる。

さて、他の焦点距離だが、50mm、70mmの開放時の星像について周辺(右上部)だけをピクセル等倍で比較した。

A007rightuppercorrection


これを見ると、70mmのF2.8開放では、かなり星像のゆがみが大きいことが分かる。そこで70mmについてはF4.0まで絞ってみたが、これなら良さそうだ。

そういうわけで、大きく重いだけのことはあって、広角端では開放から結構使えそうだ。

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2013年11月16日 (土)

M46 & M47 (とも座の散開星団)

#今朝は早起きしてラブジョイ彗星&アイソン彗星を撮影しようとしたら、快晴なのに、まさかの濃霧発生で全く星が見えず残念。

さて、私がメインで使用している直焦点用の機材は「William Optics FLT98CF」+「フラットナー・レデューサー4」なのだが、これまでずっとデジタルカメラのAPS-C機を用いてきたので、このレデューサーはてっきりAPS-Cサイズまでと思い込んでいた。

しかし先日フルサイズのEOS6Dを購入したので再度確認してみたら、どうやらフルサイズに対応しているようだ。どうりで大きいはずだ(重量540gで、KissX2のボディより重い)。

というわけで、少し前になるが、自宅ベランダからM46&M47を撮影した。光害地なので、フラットナーレデューサー4の2インチスリーブ先端に、48mm径のLPS-P2フィルターを付けての撮影である。

(画像クリックでフォトアルバムへ)
20131102_m46m47300

M46(左)の中にある緑の点はノイズではなく、惑星状星雲NGC2438。
ピクセル等倍で画像を切り出すと、ドーナツ状になっているのが分かる。

20131102_ngc2438

画像処理を行っていない、カメラのJpeg出力(縮小のみ)は、下の画像。

20131102_m46m471200org

さすがにフルサイズだと周辺減光が目立つ。今回は星団ということであまり強い強調処理はしておらず、フラット補正でOKだった。しかしこれが淡い星雲になると、周辺部は苦しいかもしれない。

それから、今回は周辺の星像が尾を引いている。このレデューサーはヘリコイドでレンズを移動させてセンサーとの距離を調整できる。フラットナーといっても画面全体で均質にはならず、中心部と周辺部でピントが若干異なるので、どこに重点を置くかで微妙に調整位置が異なる。今はAPS-Cのサイズに合わせた調整をしているので、フルサイズで使うなら、周辺の星像もそこそこ点像に近づくように微調整が必要なようだ。ただ、カメラによって調整し直すのも面倒なので、基本的に直焦点ではフルサイズの6Dは使わない予定。

なお、6Dは60Daに比べてホットスポットが多く、ダーク減算無しでは縮小しても目立つ輝点が残るのが残念。

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